リーダーのタピオカです。
今回は雑談というより、技術っぽいことに近い話です。
だいぶ前に届いたKitMillがようやく調整終了したので、実際に使用してみました。
このKitMillは何もオプションはつけていません。将来的に集塵機をつけようかと考えています。
NCデータの出力はAutodeskさんのFusion360のMANUFACTURE機能を使用しています。
KitMillの制御用ソフト、USBCNCにもCAM機能はあります。しかし、
①2D化したものをレイヤ分けして一回一回パラメータ打ち込む作業が面倒
②ヘッダー・フッターを組み込むことができなさそう
③外周彫りやドリル加工をまとめたものを一つのNCデータとして出力できなさそう
という点でFusion360に劣っているので今回は使用しませんでした。
ただ、切削速度は変数になっていて、編集は楽です。
また、概形を彫りたいだけの時はこっちの方が早くて楽かもしれないですね
ポストプロセッサはAutodesk HSMに挙がっているKitMillシリーズのものをカスタマイズしています。
主にカスタマイズしたところは
①M30のコマンドの前にM5のコマンドを出力
②G92のコマンドの組み込み
③出力する拡張子を.cncから.ncd
です。このポストプロセッサはjavascriptで書かれていますし、ここで使用されているクラスのリファレンス(英語)もネット上に挙がっているので簡単にカスタムできます。
昔、自分は愛機に対応するようにカスタマイズしていました。その時は結構変更しないといけない点があったので勉強しながら修正しました。
今回は会社が違うからなのか、全体のバージョンが変わったからなのかわかりませんが、自分が変更した点がすでに記述されていてほとんど変更をしなくて済みました。
というより、今回のカスタマイズはすべて好みの問題なのでわざわざカスタマイズしなくてもオプション設定でどうにかなるようになっていました。(①については後述)
現時点ではとりあえず使えるレベルにしてあるので、少し無駄があります。(
こんな感じで用意したNCデータでパーツを作ってみました。
2つのポケット加工するところは基準から0.5mm彫るようにしています。
材料はA2017で、固定はナイスタックの強力タイプを使用しています。そのため、下まで切削せずに下から0.02mmは残した状態で加工します。
完成したパーツがこちらになります。(取り外してませんが)
テキストをそのまま押し出して設計した割にはKitMillの動作は安定していて感激しました。
流石、HAKUの後継機だけあります。
切削のパラメータを載せておきます。
使用した工具:2MSD0200
切削速度:280mm/min(ただしZ軸降下速度は3mm/min)
ピッチ:0.07mm
クーラント/切削油:なし
加工時間:約1時間
今回の切削パラメータはHAKUのパラメータから推測してとりあえずできそうなものに設定後試運転してから使用しています。
現在ではもう少し切削速度が上がっています。
あと何回か試運転して調整したら大きな戦力増加になります。
補足
①について、USBCNCではプログラムを一時停止するとエンドミルの回転も停止します。
このことからおそらくプログラムストップと主軸の回転停止の信号を同時に送っているものと思われます。
そのため、ポストプロセッサやUSBCNCのCAM機能ではM5が出力されなかったと考えられます。
しかし、M5のコマンドがある方が安心できることからそのようにカスタマイズしました。
ではまたノシ